一般媒介にすれば競争してくれる。訳あり物件では逆になることがあります

一般媒介なら、複数の不動産会社が競争してくれる。
だから、1社だけに任せるより早く、高く売れる。
理屈としては、分かります。
でも、訳あり物件では逆になることがあります。
複数の会社へ頼んだのに、誰も深く調べない。
広告は増えたのに、書かれている内容は全部同じ。
問い合わせが来ても、接道や権利関係の質問に答えられない。
そして数か月後、どの会社からも連絡が来なくなる。
会社の数が増えることと、売る人が増えることは同じではありません。
一般媒介で、本当に競争は起きるのか
一般媒介契約では、売主が複数の不動産会社へ売却を依頼できます。
どの会社が買主を見つけても構いません。
一見すると、会社同士が競争してくれそうです。
ただ、不動産会社が仲介手数料を受け取れるのは、基本的に売買を成立させたときです。
現地へ何度行っても。
役所で調査しても。
境界や私道について確認しても。
他社で契約が決まれば、それまでの調査や広告に報酬はありません。
すぐ売れそうな物件なら、それでも競争は起きます。
那覇市内。
築浅。
接道や権利関係に問題がない。
同じ地域で成約事例も多い。
こうした物件なら、買主を見つけるまでの見通しを立てやすいからです。
問題は、売る前の調査に時間がかかる物件です。
訳あり物件は、広告より前の仕事が多い
まぶい不動産へ相談される物件は、価格を決めて広告を出せば終わり、とは限りません。
共有者の一人が反対している。
親族が住んでいる。
前面道路が私道で、通行や掘削の扱いが分からない。
境界標が見つからない。
火災や孤独死があり、どこまで説明すべきか整理できていない。
擁壁の資料が残っていない。
こうした物件は、販売前の整理が売却の中心になります。
誰が所有しているのか。
誰の同意が必要なのか。
何を買主へ説明するのか。
売主が解決するのか、問題を残したまま買える相手を探すのか。
ここが曖昧なまま会社だけ増やしても、同じ情報が複数のサイトへ並ぶだけです。
専任媒介にすると、情報が広がらない。これは誤解です
専任媒介や専属専任媒介は、1社へ売却を依頼する契約です。
「その会社のお客さんにしか紹介されないのでは」と心配される方もいます。
しかし、専任媒介と専属専任媒介には、指定流通機構であるレインズへの登録義務があります。
レインズへ登録された物件は、他の不動産会社も確認し、購入希望者へ紹介できます。
さらに、専任媒介では2週間に1回以上、専属専任媒介では1週間に1回以上、売主へ業務状況を報告する義務があります。
つまり、1社へ任せることと、1社だけで情報を抱えることは同じではありません。
ただし、制度があるから安心とも言い切れません。
レインズへ登録した。
ポータルサイトへ載せた。
定期報告を送った。
形だけ整っていても、物件の問題が整理されていなければ売却は進まないからです。
一般媒介が向いている物件もあります
ここまで読むと、専任媒介の方がいい記事に見えるかもしれません。
そういう話ではありません。
一般媒介が合う物件もあります。
物件の条件が分かりやすい。
売主自身が連絡や内見日程を管理できる。
複数社へ同じ情報を正確に渡せる。
会社ごとに異なる販売経路を持っている。
すでに相場と売却条件が整理されている。
このような場合は、複数社へ依頼する意味があります。
反対に、調査することが多い、家族の意思が揃っていない、買主への説明が難しい物件では、責任者を1社に決めた方が進めやすいことがあります。
専任媒介は「任せっきりにする契約」ではありません
専任媒介を選べば、不動産会社が自動的に頑張る。
これも違います。
契約前に、最初の3か月で何をするのか確認してください。
誰が現地と役所を調査するのか。
権利関係の問題を、どこまで整理するのか。
誰を買主として想定するのか。
他社から紹介依頼が来たとき、どう対応するのか。
報告には、閲覧数、問い合わせ数、内見結果、断られた理由まで含まれるのか。
3か月で動かなければ、価格を下げる前に何を変えるのか。
ここまで答えられない会社へ専任で任せるのは、少し怖いと思います。
専任媒介は、会社へ白紙委任する契約ではありません。
1社に責任を持たせ、売主が仕事を確認しやすくする契約です。
会社の数より、売れない理由を引き受ける会社を選ぶ
普通の家は、買主を探すことが中心です。
訳あり物件は、買主を探す前に、なぜ普通には買いにくいのかを整理する必要があります。
共有者。
居住者。
道路。
境界。
建物の履歴。
残置物。
このどれかが曖昧なら、会社を増やす前に担当者を決める。
その方が、結果的に他社からも紹介しやすい物件になります。
一般媒介か、専任媒介か。
契約の名前だけで正解は決まりません。
見るべきなのは、
この会社は、売れない理由をどこまで自分の仕事として引き受けるのか。
そこだと思います。
訳あり物件の媒介契約からご相談いただけます
まぶい不動産では、共有持分、親族居住、再建築不可、私道、境界、事故・火災、残置物など、一般的な販売だけでは進みにくい物件を扱っています。
一般媒介で複数社へ頼んでいるが動かない。
専任媒介を勧められたが、任せてよいか分からない。
すでに他社へ依頼中でも、現在の販売状況と問題点を整理できます。
媒介契約を変える前に、まず何が止まっているのかをご相談ください。




